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松本さんとの出会い

電車から降りようとすると何かが落ちる音がする。
シャチハタだ。
もちろん、ぼくはシャチハタなんて持ち歩かない。

「落ちましたよ。」

どうもご親切に、お兄さん。

「ども。ん?」

と、シャチハタのふたをあけてみる。

<松本>

ぼく、松本じゃありません。


「これおれのじゃないや。」


ここで気転が利かないところが、小熊猫の小熊猫たるゆえんである。

別に何も考えず、というか何らの対処を思い浮かばずそのまま電車を降りちゃった。

だって、ドア閉まっちゃうでしょ。

一瞬、駅長室とか届けようかな、とか思っちゃたけど。


たかが、シャチハタだし。


別にいいでしょ。


でも、このまま手に持ってるのもなんだし。

かばん入れちゃいましょうか?

でも、おれ松本じゃないしなぁ。


あ。

おれのシャチハタの朱肉切れそうだったような気がする。

松本さんごめんなさい。


朱肉だけ使わせてもらいます。


松本さんは新しいの買ってね。

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